公認会計士試験合格後は、多くの方が監査法人に入所されると思いますが、できる人とできない人は何が違うのかについて、新社会人向けに私見を書きました。
意識してホウレンソウを行う
監査業務に限らず、すべての仕事には複数人が関わります。同じ法人内の監査チームであったり、他の専門家やクライアント等のコミュニケーションは必ず発生するため、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)が非常に大切です。
こういうことを書くと、あたり前過ぎて知っていると思いがちですが、本当に実践できている人は少ないです。特に新社会人の人は、意識的に行ってください。特に在宅勤務の人はさらに大切です。
例えば、日次で朝礼や終礼で実施予定事項や進捗を報告する場合があるかもしれませんが、1日2回では足りないと思ってください。新人の方によくあるミスが、本人がやり方や目的を誤って理解したまま仕事を進めてしまい、結果的に成果物が役に立たない(やり直し、間違っている、時間がかかり過ぎる)ということがよく起こります。これは本人では気づけないことが多いです。
これを防ぐには、仕事を開始する前に相談すること、途中の成果物を先輩に見せてこれであっているか、進め方はあっているかを報告・相談すること以外にありません。しかし、仕事の途中の進捗状況を報告できる新人はほとんどいないと思ってください。だからこそ、意識的に数時間おきに、進捗状況について報告することが大切です。
どのレベルのことまで報告するのか、報告が不要かどうかの判断は新人のうちは考える必要はないです。関連することはすべて報告するぐらいの気持ちでよいです。多すぎるぐらい報告して、そこまで報告しなくてもよいと言われたら、言われたことまでは報告しなくてよいということを次回から実践するだけです。新人は報告しまくってください。
与えられた仕事をやりきる
監査法人は事業会社と違い、基本的に日ごとにどのクライアントの業務を行うかが違います。例えば、先週はA社、今週はB社、来週はC社で金曜だけD社、みたいな感じです。そのため、与えられた仕事を完結させて、次の仕事に向かう必要があります。状況によっては、ほかの人に業務を一部引き継ぐこともあるため、客観的に自分の仕事をどこまでやったのかいつでも引継ぎできるようにしておく必要があります。
自分の仕事をやりきる。仕事を終わらせるために、どんな段取りが必要か、どのくらい時間がかかりそうかを計画し、予想以上に時間がかりそうな場合にどうリカバリーするか(上司への相談含む)をやってください。仕事を終わらせる意識が低いとホウレンソウも自然と少なくなります。
新人のうちは、与えられた仕事をこなすことが難しい場合もありますが、時間内に終わらせる、きちんと引継ぎを行うことがまずは大切です。そのうえで自分の出来る仕事の幅を増やしていくためにも、仕事が終わらなかったら引き継げばよいという感覚で仕事をしていては絶対にダメです。きちんとコミュニケーションをとり、どこまで自分でやって、どこから引き継ぐかを明確にするようにしてください。
質問力を高める
チーム内(上司)にどう質問するか、自分は何がわからないのか。何がわかればスムーズに業務を進められるか、欲しい回答が得られるように質問すべきです。また、何も考えずに質問することはNGです。自分で調べられることは結構あります。HP、法人内のイントラネット、過去の調書、チーム内の共有サーバー等、事前に調べたうえで質問しましょう。そもそも調べ方がわからないのであれば、調べ方を質問してください。
特に対クライアントの質問は、監査やレビュー手続きで重要な要素になりますが、チーム内で共有しておくべき内容をクライアントに質問したり、事前に入手している情報からわかることを質問しないなど、質問する前に上司に相談しましょう。
周囲の会話を聞いておく
チーム内のミーティングや、クライアントとのミーティングで、何をどう話しているのかに耳を傾けてください。もしくは会計事務所内で、ほかのチームの人がどんな話をしているのかに耳を傾けてください。
今は何のことかわからなくても、いずれわかるようになってきます。自分の情報感度を高めるためにも、日ごろから意識しておきましょう。いきなり話が振られる場合もあるので、手は動かしていても(タイピングしていても)聞く意識は持っておいてください。できる人ほど聞いています。
最低限のPCスキル(主にExcel、Word)を身につける
会計士試験の勉強に長く時間をとられていたため、PCスキルが低い人が多い印象です。これは必要なショートカットや関数を覚えるのにあまり時間はかからないため、Excel本を一冊読んでみることをお勧めします。あまり分厚いものでなくてよいです。
PCスキルは個人差が大きく、あまり人に聞かないことでもあるので、地味に差がつきますし、特に新人(スタッフ)のうちは業務効率に大きく影響します。試験合格発表までの時間で取り組んでおくと周りと差がつけられるかもしれませんね。
まとめ
以上、簡単に5つのポイントで書いてみました。新人会計士として求められることは、一般的な社会人として求めらることとほぼイコールだと思っています。
そして、スタートダッシュが肝心です。この先転職したとしても、社会人一年生は一生に一度だけです。ここで手を抜いてしまうと、今後の社会人生活も手を抜いてしまう可能性が高いです(人は急に変われません)。しんどいとは思いますが、2年目、3年目でさらに成長するためにも、1年目は特に大切です。頑張ってください。
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