2020年6月26日に、公認会計士・監査審査会より、令和3年公認会計士試験の実施について、短答試験は1回のみになるとの発表があり、受験生界隈では大きな衝撃が走っていたと思います。本件について、自分なりの見解を書いてみたいと思います。
変更点
12月短答がなくなった
これまで、会計士試験は、短答試験が12月と翌年5月に実施され、論文試験が8月に実施されていました。短答試験は1度合格すると合格年度を含め3年間の短答試験免除が得られます。そのため、12月に短答を合格し、翌5月の論文試験に合格するのが最も合格しやすいとされていました。これは、短答試験や論文試験のそれぞれ十分な時間を費やすことができるからですし、実際に私もそう思います。
5月(短答)⇒8月(論文)の合格プランしかない(一発合格目標の場合)
しかし、新型コロナウイルスの影響により、12月短答がなくなったため、5月短答及び8月論文の合格を目指すプランしかないということです。これにより、従来12月短答合格者は8か月間じっくり論文対策をすることができる受験生として非常に有利だったわけですが、その有利な論文受験生がいなくなるので、十分な論文試験対策を取れる受験生が過年度の短答合格者を除いていなくなります。
その結果、令和3年度に一発合格を狙っていた人たちは、合格レベルの間に多くの受験生が団子状態で競い合うことになりと考えられ、これまで以上に厳しい争いになり、かつ、過年度の短答合格者が有利になると思います。これは、令和3年度に一発合格を目指していた受験生は、短答と論文両方の勉強をしなければならないため、限られた時間で両方の試験の準備をする必要があるからです。
私の考える令和3年の合格戦略(一発合格者向け)
合格プラン
とはいえ、全受験生が同じ条件であるため、どの時期に何を勉強するかという受験戦略を正しく行う必要があると思います。
私の考える受験戦略では、いわゆる従来の5月短答及び8月論文合格を目指す受験生の勉強の仕方が参考になると思います。
つまり、11月末まで短答試験で合格レベルまで計算と理論(主に理解を中心)を仕上げる。12月から3月までは論文科目の基本的な計算(法人税、消費税、所得税、経営学(選択した場合)の計算部分)を解けるようにしておく。4月及び5月は短答試験の勉強に専念する(理論は暗記する)。短答試験翌日~論文試験の勉強を実施する(短答後~6月末で租税法、経営学の計算を復習。7月以降は各科目をまんべんなく勉強する)。
ポイント
ポイントは、5月短答後に休まずに8月まで一気に駆け抜けることです。特に5月短答の自己採点が合格ラインぎりぎりの方です。本試験では合格発表まで合格ラインがどうなるかわからないので、自己採点に一喜一憂せず、すぐに論文の勉強を再開してください。
短答の合格発表後では遅いです。短答試験が終わったら、間髪入れずに一気に勉強して、論文試験後好きなだけ休んでください。
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