答練をどう活用していますか?答練の受け方、心構え。

公認会計士試験

はじめに

私は大原の通学生でしたので、私の経験ベースで書かせていただきました。

答練はどれくらい受けるべきか

答練はどれくらい受けるべきかついては、すべての答練を受けてください。大原でいうと、入門答練、基礎答練、短答答練、公開模試、応用答練、論文答練のすべてを、通学の方は教室で、通信の方は定められた期限内に必ず時間を計って実施し提出してください。

会計士の講座は初学者で一般的に1.5年~2年の期間、勉強が必要になります。講義と答練と復習をこなして本試験を迎えられる受験生は当初の講座申込人数からかなり絞られますし、初学者が一発合格できる人はさらに少なくなります。

そのため、2.5年~3年以上の受験期間を必要とする受験生が大半だと思います。この長期間の受験期間に、カリキュラムをこなしていくには、たとえ勉強が追い付いていなくても答練を勉強のマイルストーンにしていくことが非常に大切です。歯を食いしばってでも、予備校のスケジュールに食らいついてください。

通信での受験生は、誰にも見られていない分、さらに自分を律する必要があると思います(ちなみに、私は通学でした)。そういう意味でも、答練をペースメーカーにして計画的に勉強してください。

予備校で受けるべきか

家でも1日8時間以上の勉強をコンスタントに続けられる人は、提出期限を守って提出可能な方は自宅で受験することもありだと思います。それ以外の通学の方は、必ず予備校で受験してください。

会計士試験は、試験中に電卓を使用するわけですが、一定割合で、電卓を高速でたたく人や、机が揺れるほどの勢いで電卓をたたく人がいます。本試験では、近くにそのような方が座る可能性もあることから、少しでも本番に近い環境で答練を受ける必要があると思っています。

モチベーションの維持の観点でも、予備校で答練を受験することは非常に有効だと思います。受験期間は長期です。予備校で答練を受けることを習慣にされることを強くお勧めします。

答練の受け方、復習について

答練は多くの場合出題範囲が指定されていますし、極論すれば本試験も出題範囲が指定されているわけです(出題範囲の問題でも解答できるかどうかは別の問題です)。

だからこそ、可能な限り試験範囲の復習をして、その出題範囲は何が出題されても手を動かすことができるように準備すべきです。復習をしっかりして答練を受けるメリットは、以下の3点です。

  • 試験直前に短時間で復習する練習になる
  • 勉強方法や知識の穴を知ることができる
  • 復習が短時間で終わる
  • 能動的に勉強ができる、モチベーションも維持できる(高められる)

試験直前に短時間で復習する練習になる

本試験の直前は復習をしまくって当日を迎えるわけですが、テキストや問題集、答練などの教材が山のようにあるものをすべて見返して復習する時間はありません。

しかし、答練のたびに各論点ごとの重要なポイントや忘れやすいポイントを復習する練習をしておけば、短時間で復習することが効率的にできるようになります。私は、問題集や講義の重要なメモ、自習で気づいたこと等をすべてテキストに記載していました。また、各論点の計算法や重要ポイントを各論点ごとに1ページでまとめていたので、それを見るだけで効率的に復習できるようになりました。

まとめノートを作るのもありだと思いますが、まとめノート作成にこだわりすぎると勉強時間が確保できない事態になり本末転倒なので、時間をかけすぎない「まとめメモ」くらいにとどめるのがおすすめです。

勉強方法や知識の穴を知ることができる

答練の出題範囲をしっかり復習したうえで、その論点で点が取れなかった場合、①そもそも論点が理解できていなかった、②網羅的に復習できてなかった(復習方法が悪かった)、③理解が浅かった、のどれかだと思います。

①論点が理解できてなかった(よくわかってない)

単純に理解できていなかったという可能性があります。この場合は、答練を受ける前にもご自身でもわかると思いますが復習が追い付いていない状態です。

②網羅的に復習できていなかった

例えば退職給付会計の論点が出題された場合に、何を問われる可能性があるのか、その場合どうやって算定すればよいかを復習することになると思います。退職給付債務の算定方法はわかっていたけど、大量退職が出題された場合に対応できないというような場合です。論点ごとに理解の強弱はあって当然ですが、重要論点においては網羅的に復習することを怠らないでください。(ただし、特殊商品販売等はやりすぎないようにしてください。)

③理解が浅かった(試験で使えるレベルの理解ではない)

自分では理解したと思っていたが、試験で使えるレベルになかったということです。答練や本試験では、テキストとは違う問われ方をされたり、穴埋めで出題されたりするため、違う角度から問われた場合に解答できないということがあります。これは突き詰めれば理解が足りていないことになります。問われる角度によって間違える場合はテキストの理解が浅いため、答練とテキストを見比べながら「結局こういうことか」という状態まで理解できればOKです。

理解が浅い場合の問題点は、自分では理解しているつもりの可能性があることです。「わかっているつもり」は、事前の復習をきっちり行ったうえで答練を受けることでしか見つけられないと思います。この論点は事前に復習して、解けるはずだったのになぜ解けなかったのだろう?という感覚があれば、理解が浅かったということになります。自分の勉強の仕方を再度整理しなおす、講師に質問する、テキストを再度精読する、復習方法を変える等の対策をとることができます。

準備(復習)できていない状態で答練を受けると、単に理解できていなかった、事前に復習さえしていれば解けたはずと軽く捉えてしまう可能性があります。これでは、「解けるはずだったのになぜ解けなかったのだろう?」という事態が本試験で発生する危険性があるので要注意です。(私は何度も経験しました。。)

復習が短時間で終わる

事前に出題論点の理解が進んでおり、間違いも少ないことが想定されるので、自然と答練の復習は少なくて済みます。

間違いが多かった場合も、直前に復習しているため、復習内容が記憶に残りやすいです。

能動的に勉強ができる、モチベーションも維持られる(高められる)

受け身の姿勢で答練を受けるだけでは、高得点も取りづらいため面白くないです。

雰囲気や空気は伝染します。たとえ仲の良い友達のような存在がいなかったとしても、答練を同じクラスで受けることで同じ受験生としての一体感みたいなものがあり、自然とお互いを刺激しあえる存在になり、それがモチベーションにもなります。

最後に

勉強はなぜそうなるか、を学ぶものだと思っています。その際に、答練は絶好の機会です。

答練は必ず受けてください。ぜひ、積極的に受けて毎回満点取れるくらいの準備をして答練を受けてください。徹底的に準備したうえで答練を受けた人にしか得られない気づきが得られるはずです。

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