【財務諸表論】理論の勉強法

公認会計士試験

簿記1級以上の勉強では、会計の理論(会計基準)について問われます。会計士試験では、短答式ではマークシート(4択~5択)で、論文式では記述式で問われます。

短答試験対策

【短答式試験】の勉強法は、広く浅く覚えていく必要がありますが、正直テキストを読むことと、肢別問題集を解く以外にはないですね。ただし、計算(簿記)と連動している部分については、計算過程を思い浮かべながら理論を理解すればよいので、むやみに暗記することなく、計算(簿記)と理論の相乗効果で覚えることができます。

なお、計算と理論を連携して理解することも、意識的に行わないとだめです。なんとなくそれぞれを計算、理論のそれぞれを別々に勉強していたら、本試験の時間のない中での即答できるような、使える知識にはなりません。

簿記の勉強中に理論ではどう問われるか?理論の勉強中に簿記ではどうやって解いているかを意識的に思い出す訓練をする必要があります。繰り返しになりますが、本試験中に即答できるレベルまで理解を深める(結果的に覚える)ようにしてください。

本試験中に迷っていたら時間の無駄ですし、2択まで絞っても50%の確率で問題を落としてしまいます。それで人生が変わってしまいます。

論文試験対策

【論文式試験】の勉強法は、短答試験よりは狭くより深い理解が問われます。また文章で書かないといけないため、短答試験対策とは異なった対策が必要です。

第1ステップは、まず聞かれていることに口頭で説明できるだけの理解が必要です。論文答練や過去の本試験で問われた内容を聞かれたときに、自分の言葉でよいので説明できるどうかが第1ステップです。

第2ステップは、会計基準に書かれている専門用語をキーワードとして書けるかどうかです。例えば、固定資産の減損であれば、「兆候」、「認識」、「測定」というキーワードを正確に使える必要がありますし、評価替資本の性格についてであれば、維持すべき資本を「貨幣の購買力の大きさ」⇒「実質貨幣資本概念」という流れや、「貨幣の名目額の大きさ」⇒「名目貨幣資本概念」という流れでそれぞれの「キーワード」を正確に書ける必要があります。また、だいたい会計の考え方には2つ以上の概念があるので、それぞれについては対比させながら理解すると効率的ですね。事業投資か金融投資か、資本主理論と企業主体理論、純利益と包括利益の違いなどはそれぞれの違いを同時に抑えてしまったほうが良いと思います。

次に第3ステップです。第2ステップまでできれば合格圏内にいるとは思いますが、第3ステップとしては、定義を会計基準の文言一言一句レベルで覚えるというものです。第2ステップまででかなり理解が進んでいるので、正直これはそんなに難しくないです。

純利益とは何か?包括利益とは何か?キャッシュ・フロー計算書の直接法とは?間接法とは?会計上の見積もりの変更とは何か?のような頻出の内容は、丸暗記レベルにまで仕上げられるとよいですね。

ここまで必要か?という意見もあるかもしれませんが、ライバルはこのレベルまで勉強していると思ったほうが良いと思いますし、会計学で高得点がでれば大きなアドバンテージになるので、高みを目指す方はぜひここまで勉強してください。

その他

覚え方については、書いて覚えるというやり方もありますが、どうしても時間がかかりすぎるのでお勧めしません。私は書いて覚えるタイプだったので、キーワードだけを書いて文章は頭の中で言葉にするという勉強をしていました。この勉強法は書きまくって手が痛くなることもないのでお勧めです。

ちなみに漢字を書くか平仮名かを試験中に迷ったときは無難に平仮名でよいと思いますが、勉強中はあくまで漢字で書くつもりで勉強してください。

会計の専門用語を公認会計士試験で書くのもカッコ悪いですし、試験委員の方も人間なので、自分は合格レベルの人間であることをアピールする材料になる思うので、漢字で書けるように勉強していただくほうが良いのではないかと思います。

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