初めて会計士試験の勉強をする人に向けて、どうやって予備校を選ぶか?独学は可能か?等について書きました。
予備校か、独学か?
独学はかなり難しい。
会計士試験は、1.5年~4年くらいの長期になります。その間、勉強のペースを保ち、忘却と闘いながら新しい論点を理解し、答練等で自分の受験生の順位を知り、出題可能性の高い論点を網羅的に勉強していくことは不可能に近いです。そのため、独学での会計士試験の受験は、かなり難しいです。
また、会計士試験は毎年試験範囲が公表されていますが、基本的に大きな変動はないですが、試験委員の交代に伴って試験委員の得意とする分野があるため、その年度に出題される論点が試験委員によって変動する可能性があります。勉強のことで手いっぱいのはずなので、このあたりの傾向を受験生が調べる時間はないですね。
予備校はどう選ぶ?
会計士向けの受験予備校は、
- 大原簿記専門学校
- TAC
- LEC
- CPA会計学院
- クレアール
辺りではないでしょうか。
TAC
TACは、合格者8,617名(累計)、合格率46.8%。
TACは大原と並ぶ、会計士予備校の大手2トップの一つです。
- 授業が多く、質問体制が整っている。(TACは講師が全員合格者です。)
- 受講生が多いので、答練で自分の順位がわかる。
- 出題予想問題が自然と学習できる。
- 相対試験なので、多くの人が勉強していることを学んでいるという安心感がある。
全答練を申し込んで受けたのですが、企業法の解説が充実していて、とても分かりやすかった記憶があります。
大原簿記専門学校
大原は、2019年の合格者470名。
大原はTACと並ぶ、会計士予備校の大手2トップの一つです。ちなみに私は大原で勉強していました。大原のメリットは、以下になると思います。
- 授業が多く、質問体制が整っている。(TACより大原の方が講師が常駐しているので質問体制は整っていると思います。ただし、講師は会計士試験合格者が多いわけではないです。)
- 受講生が多いので、答練で自分の順位がわかる。
- 出題予想問題が自然と学習できる。
- 相対試験なので、多くの人が勉強していることを学んでいるという安心感がある。
最終的には講師との相性という部分もありますが、この大手2トップ(TAC、大原)であれば間違いないと思います。
LEC
大手2トップほどの受講生はいませんが、短答試験対策と論文試験対策を別々に受講できるなど、受講料の面でリーズナブルかつ、試験対策として目標を立てやすい講座になっているという印象です。
短答試験(マークシート)と論文試験(記述)は、別物と言われるほど違いますし、短答試験に合格する前に論文試験の勉強することは無駄ではありませんが、やや非効率であるという印象です。またそれほど短答試験合格は難しいです。(ただし、令和2年度は短答試験が1回しかないので、メリットにはならないかもしれません。)
私が受験していたころは、財務の渡辺先生や管理会計の池邉先生がおられましたが、CPA会計学院に移籍されたので、この点はデメリットだと思います。ちなみに私は単科で渡辺先生や池邉先生の短答試験用講義を受講していました。
CPA会計学院
合格者は357名、合格率は42.9%。
大手予備校ほどの受講者数はいないですが、合格率が非常に高く、授業に定評のある講師の方がおられる予備校です。今から私が受験生に戻るとすれば、この予備校を選ぶと思います。
受講したことはありませんが、
クレアール
ここも歴史ある予備校の一つで、試験範囲を重要性の高い論点に絞ったり、重要論点の暗記を推奨される、会計士の勉強の前に簿記の合格(もしくは合格レベルの知識になる)したうえで会計士試験の勉強を開始するといった特徴的な予備校です。また、社会人受験生が多く、受講料もリーズナブルです。
私も、社会人として働いていた時に受講していましたが、講師への質問が難しかったことや自分に合わない部分があり、受験に専念するタイミングで大原に通うことにしました。
予備校まとめ
- 質問のしやすさ重視⇒大原
- 講師が全員合格者⇒TAC
- 安さと効率重視⇒クレアール
- まずは短答試験に専念⇒LEC
- 講師の質重視⇒CPA
という感じでしょうか。
極論すれば、どの予備校でも合格実績はありますし、その予備校を信じて勉強し続ければ合格は可能だと思います。上記に挙げたような特徴があるので参考にしてください。
また通学か、通信か自分はどちらで勉強するかも大事ですので、通学しやすいか(今は新型コロナウイルスの影響で難しいかもしれませんが)、通信でも質問しやすいかなども考慮してください。
市販の参考書や、他の予備校のテキストは必要?
基本的に一つの予備校の教材で必要十分ですが、本番形式の全答練(公開模試)だけは会計士試験が相対試験であることから、TACか大原のものも受験することをお勧めします。
どうしても受からないような場合は、予備校を変えることも有りだと思います。ただし、何度も予備校を変えることはやめてください。予備校を変えさえすれば劇的に点数が上がることは考えにくいです。
市販の教材に手を出すことは、論文試験用の法令基準集以外で購入することはお勧めしません。高いですし、その前に予備校の全科目のすべての教材を完璧に理解、暗記すべきです。何年も受験生生活をしている上級者になると、やることがなくなったと勘違いして、市販のIFRSに関する本とか購入する人がまれにいますが、絶対にダメです。
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