会計士試験の合格は、就職(特に大手監査法人)を考えると早ければ早いほど良いのは間違いないです。
大学等の卒業後の合格や、社会人経験ありの合格はどうなのか?個人的な経験ですが、以下に書いてみました。
大学生合格
大手監査法人への就職を考えた場合、かなり有利です。普通に内定もらえると思いますし、行きたい法人を選べると思います。
学生合格するには、大学1回生や2回生からダブルスクールし、友達が遊んでいる間に大学の単位を取りつつ会計士試験の勉強をして、初めて合格できるため、本当にすごいと思います。

私は、大学の時はよく遊んでました。そして大学の単位を取ることで精一杯でした。。
ポテンシャルで十分に内定もらえると思ってもらってよいと思います。余程コミュニケーション能力が無いような場合でない限り内定を取れると思います。監査法人に入って何がしたいかは自分なりに語れる必要があると思います。
「既卒」合格
大学卒業後も勉強を続け、その後に合格する場合(25歳前後のイメージ)ですが、大手監査法人への就職は十分に可能です。
公認会計士試験は、社会人経験者や30代以上も多くの人が受ける試験でもあります。
令和元年(2019年)の論文式試験合格者の年齢構成は以下の通りです。(ご参考)
20歳以上25歳未満:57.5%
25歳以上30歳未満:23.0%
30歳以上35歳未満:10.6%
35歳以上:7.0%
20歳未満:1.8%
令和元年公認会計士試験の合格発表について https://www.fsa.go.jp/access/31/196.pdf#page=11
令和2年(2020年)の論文式試験合格者の年齢構成は以下の通りです。(ご参考)
20歳以上25歳未満:59.9%
25歳以上30歳未満:22.4%
30歳以上35歳未満:9.6%
35歳以上40歳未満:3.3%
40歳以上:4.2%
20歳未満:0.5%
日本社会では、決められたレールを外れること(休学、留年、浪人等)を極端に嫌う傾向がありますよね。また、既卒という言葉も良くないですが、日本は新卒神話がまことしやかに語られているので、『新卒という人生で一度きりのカードが使えない』ということで思い悩む人もいるかもしれませんが、これらの話(噂?)は無視で良いと思います。全く問題ないし、休学・留年・浪人・大学卒業後の試験合格でも全然OKです。悩む必要もありません。
人生100年時代に数年間の足踏み期間(他の人からすればこう見られる可能性があるかもしれないという意味です)があったとしても、その人には必要な時間であったと思いますし、監査時法人や事業会社であってもそのことで落とされるような組織であれば、そんな組織であなたが働く必要はありません。終身雇用は崩壊していますし、転職することも一般的なことです。
大学卒業後に就職せず、会計士の試験勉強に専念していることに劣等感を抱く必要は全くありません。これは、声を大にして言いたいです。就職面接も堂々と受けてください。
新卒カードを使うことに、心残りがある状態で就職しても後悔するだけだと思います。
社会人経験者合格
社会人経験者は、実際に事業会社で働いた経験があり、基本的な社会人としてのマナー備わっているという点で、むしろ有利だと思います。
個人的には社会人経験があることは、一緒に働くうえで非常にプラスだと思います。ビジネスの基礎があるのでOJTもしやすいですし、コミュニケーション能力が高い人が多い印象です。実際に監査法人で一緒に働いた方でも、正直社会人経験がある人の方が仕事の進め方が効率的だなと感じます。基本的に皆さん優秀なので新卒入社の方も2~3年でものすごく成長しているので、それを見るとこちらも嬉しいですね。
ただし、合格時(監査法人への転職時)の年齢には留意が必要です。大手監査法人であれば40歳くらいまでが一つの目安ではないかと思っています。
中小監査法人であれば、比較的柔軟に採用されますので、上記の年齢に関わらず就職は可能だと思います。
大手監査法人での採用
景気や合格者数の増減に左右される部分はありますが、新卒(22歳)から40歳くらいの方は、大手監査法人への就職は十分に可能性があると思います。
ただし、年齢が上がると年下の先輩や上司がいるので、その環境に仕事をしていくことに抵抗がある方は難しいです。
監査法人は基本的に、合格年次や採用年次で先輩後輩が決まります。芸能界と同じ方式です(?)。この点は留意してください。
中小監査法人での採用
大手監査法人よりも、年齢についてはもう少し柔軟に人物重視で採用されるイメージです。
基本的にある程度の規模があれば人手(会計士合格者)が十分にある監査法人は少ないはずですので、40歳以上の方でも可能性はあります。
まとめ
ということで、あまり年齢は気にせず試験勉強に打ち込んでほしいです。新卒での就職活動と、会計士試験合格後の就職活動の両方を経験しましたが、一般の事業会社への就職活動と比べて、会計士の定期採用ははるかに内定が出やすいです。
大量合格で監査法人に就職できなかった(合格者の約4~5割しか監査法人に就職できなかった)時もありました。この割合を多いと思うか、少ないと思うかは人それぞれですが、私は多い(就職しやすい)と思います。これは一般事業会社の就職活動を経験しているから、そう思います。
監査法人以外も就職先はありますし、長い会計士人生で監査法人への転職もよくあります。少なくとも今はほとんどの人が監査法人に行ける状況であることは、コロナ禍の現在でもあまり変化していないと思います。
会計士受験生は論文式試験合格まで試験勉強頑張ってください。
追記(コロナ禍での働き方)
2020年3月頃から大手監査法人では在宅勤務が基本になっています。監査法人に限らず他の事業会社もそうだと思いますが、採用面接も、入社後研修も、仕事もそのほとんどを在宅勤務で実施されています。同期なのにZOOMでしか会ったことがない、一緒に働く監査チームメンバーともリアルで会ったことがないという状況が普通にあります。
OJTをするにしても新人さんの実際の仕事ぶりが見えないので、非効率な進め方をしていればすぐに修正するように指示することもできますが、オンラインではできないです。事前に説明するにしても限度があります。なので、新人さんから積極的に電話やチャットで先輩に質問や相談する(終わってからの報告や相談では遅い場合もあります)ようにしないとお互いが不幸になります。
コロナ禍ではしょうがないですが、この環境でも積極的に順応していく姿勢がないと、仕事がつまらなくなりすぐにやめてしまうということになりかねません。老婆心ですが、少し心がけてもらえるといいと思います。
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